2013年5月4日土曜日

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると,彼の巡礼の年」,文藝春秋

多崎つくるは,名古屋の高校生だった.そして,高校のときの彼を含めた5人の友人(うち,2人が女性)が,不思議な一体化をなしていた.大学に入って,つくるだけが東京に行き,あとの4人は名古屋に残ったが,しばらくの間はつくるが名古屋に帰っても,5人の友人関係が続いた.
しかし,あるとき,4人からいきなり拒絶された.つくるは,理由をしることなく,訳もわからずに拒絶されることになった.
その後,灰田という後輩の友人ができたが,十年以上たってから,沙羅というガールフレンドができた.ここが,この本の「現在」である.つくるは,4人から拒絶されてから,精神的,肉体的に大いに挫折する.沙羅に出会ってから,そのことを打ち明けたら,沙羅は,大学時代の事件を解明するべきであるという.沙羅は,4人の現在の状況を調べてつくるに教えた.その中の1人シロは,既になくなっていた.残る3人を順に訪問し,大学時代の事件が何だったのかを知る.それは,シロが,つくるに強姦されたといったというのであった.
つくるが,順にそのときの友達を訪問して,真相を知ると共に,沙羅と結婚をしたいと考えるようになる.しかし,ある日,つくるは沙羅が中年の男性と親密にしているのを見てしまう.つくるは,ついに,沙羅にも真相を迫った.沙羅は,数日後,真相を話すと約束した.その日の直前で話は終わる・・・
青春小説ですね.若い人に人気があるのはわかる気がする.

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