2012年7月1日日曜日

姜尚中「悩む力」集英社新書

政治学者であるが、思想家、哲学者といってもいい、在日の学者である。
この人の本を読むと、とてもしなやかな頭脳を感じる。漱石とウェーバーを対のような形で愛し続けてきた著者が、一貫してこれらの大先輩の考え方や主張にそって自分の論を展開している。
私とは何か
世の中すべて金なのか
しっているつもりじゃないか
青春は美しいか
信じるものは救われるか
何のために働くのか
かわらぬ愛はあるのか
なぜ死んではいけないか
老いて最強なれ
といった章のタイトルからは、ハウツーものを想像するが、そういう意味では当てがはずれる。自分の頭で考えなければ書かれていることも頭に入らない、とても勉強をさせられる本であると思う。若い人にぜひおすすめの1冊である。

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