2012年5月27日日曜日

酒井順子「女流阿房列車」新潮文庫

タイトルからわかるように、内田百閒の阿房列車を意識した内容である。この作者は鉄ちゃんを自認しているが、まさにそのとおりである。 500系を「ウツボさん」というところなど、列車に愛情をすらお持ちのようですね。それにしても、言われてみれば、ウツボとはよく言ってくれました。面白い。

2012年5月26日土曜日

北川智子「ハーバード白熱日本史教室」,新潮新書

専門ももともと理系ばりばりの著者が,ハーバード大学で日本史を教え,ものすごい人気を博すそのストーリーが描かれている.聴講者が1,2名を想定していたのに,あっという間に百人以上,最も学生に人気があった人に贈られる賞など,全く疑いなくすばらしい授業と人気を得た人の自伝.
これを読んだら,あまりにショックで,これから授業をするのが怖くなった.どうしよう・・・

2012年5月24日木曜日

石川知裕「雑巾がけ」,新潮新書

小沢一郎の弟子で有名になった,石川議員の,修行の日々が書かれた本である.小沢一郎という人がどれだけ高いところにいる人かということがよくわかった.決して,我々と同じ目線でものを見る人ではないようだ.
石川議員は,これで何を言いたかったのだろうか.

福澤諭吉(山本博文訳)「福澤諭吉 幕末・維新論集」ちくま新書

旧藩情,痩せ我慢の説,明治十年丁丑公論,士人処世論よりなっている.士人処世論は,その当時も公務員人気だったようであるが,いいことばかりではないと,その風潮を咎めている.まるで今の公務員指向のようだ.
現代語訳なので,読みにくい訳ではない.ただ,忙しくて頭が疲れている人間には,少々読むのに骨が折れた.

2012年5月1日火曜日

曾野綾子「人間の基本」新潮新書

最近、他の本に書いたことを寄せ集めたような本が多かった曾野綾子さんですが、今回はしっかりした本です。
何事も自分の頭で考え、正しいと思うことをずばりおっしゃるこの爽快さは、なかなか得がたいものです。特に、貧困や病気、ルールで動いていられないような社会におけるこの方の考えは、まさに「人間の基本」だと思います。この人の本を読むと、たくさん折り目を付けることになります。折り目は、私が後日読み直すときにポイントとなるしおりです。