2011年3月30日水曜日

池波正太郎「あるシネマディクトの旅」,文春文庫

まずは,大震災で,しばらく私自身自分を見失ったような感覚で,本も読めず,まともなことがここ2週間あまりできていないことを告白する.そのため,ここにしばらく書くこともできなかった.震災の復興までは遠い道のりなので,自分ができることを模索することも,時間をかけながら長期戦と覚悟し,少しでも早く普通の生活を取り戻すことが,日本のためには重要と思う.そこで,本サイトも復活することとした.以下はその第1号である.

池波氏はそのときまでフランスに行ったことがなかったのに,映画で何十回も「パリに来ている」ので,東京を歩くようにパリを歩けるという.この本を読むと,外国経験もなく,言葉もしゃべれないのに,まさに堂々と,フランス旅行をまるで日本で旅行をするのと同じくらいに,いや,もっと楽しんでいる.この本を読みながら,私もフランスを旅行したような気分になった.
いつも,おおらかな気分で,かつ繊細に物事を見ながら旅行をする池波氏は,「ホンモノの文化人」だとつくづく思う.

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