2010年6月25日金曜日

内田百閒「第一阿房列車」,新潮文庫

岡山に住みながら,内田百閒のことを何も知らなかった.彼が随筆家であったことさえ知らなかった.
我ながら,「阿房」であると思う.
訥々として,融通の利かない堅物のような印象を受けた.

用事がないのに出かけるのだから,三等や二等には乗りたくない.汽車の中では一等が一番いい.私は五十になった時分から,これからは一等でなければ乗らないと決めた.

こういう文章で始まるこの本,何だか面白そうな印象ですよね.その印象は私にとっては多少裏切られるのですが,こういう旅行,是非ともしてみたいと思うことは確かです.

2010年6月7日月曜日

中島義道「エゴイスト入門」、新潮文庫

この本は、タイトルを見て買ったのではない。この著者だから買ったのだ。たいてい読んでいる。日本人的な感覚でいうと、確かにすごいエゴイストであろう。

みんなと同じように感じ、みんなと同じように怒ることはとても簡単なことだ、だからほとんど価値のないものだ、いやそれ自体害を及ぼすものだ、ということである(p.174)。

この一節の意味が知りたい人は、中島氏の書物を読むとよい。

2010年6月6日日曜日

太田和彦「超・居酒屋入門」、新潮文庫

この人の本を2・3冊読んだせいで、居酒屋に対する認識が変わった。これからは、一人で出張の際には、ぜひとも居酒屋を探訪してみたいと思うようになった。

池波正太郎「食卓の情景」、新潮文庫

こういう老人の話は、私には何のためにもならないように思う。だけども、こういう本が書ける老人になることにはあこがれがある。

中島義道、小浜逸郎「やっぱり人はわかりあえない」、PHP新書

中島義道先生の哲学は、私も賛同する部分が多々あり、本もたくさん読んでいるので、これを見るまでもなく、どういう話かわかる。一方、小浜氏というのはこの対談(書簡のやりとり)を見て初めて知った。
小浜さんのほうがまっとうにも思えるが、もともと、大上段に哲学を論じるのは私は嫌いなので、斜に構えている中島さんのほうに共感を覚える。ただし、中島さんは、そういう共感を覚えたりされることが嫌いらしいので、どのようにしたらよいのかわからないが。
ともかく、哲学者の議論には入れないし入りたくもない。