2010年1月24日日曜日

川北義則「男の品格」,PHP文庫

「仕事上手になるには遊び上手になれ」
「自分なりの美学を持つことが大切」
「楽しくない人生なんて生きる価値はない」
などと,標語的な言葉が並ぶ本である.ご自分の理想を他人にもお勧めになっているのだろう.
ただ,どうも本を読んだり人に聞いたりした話が多く,実際の体験に基づくものではなさそうだ.

藤原正彦「国家の品格」,新潮新書

昔斜め読みしましたが,もう一度取り出して,読み直してみました.

論理の限界を自覚し,情緒と形を重視する姿勢は,自由と民主主義をも疑ってかかっておられます.
これは,一見,暴論とも思え,誤解を生む元とも考えられますが,これを書いたのは,米国や英国で長く生活経験があって,数学の教授である著者です.論理も百も承知,自由と民主主義も,いったんはあこがれを持ち,アメリカ帰りの時代には,アメリカに染まっていた人(失礼な書き方ですみません)です.しかし,イギリスに行って,それが変わったのです.そういう人の書いた物として注意深く読むと,その意図していることがかなりきれいに見えてきます.

誤解,さらには曲解をする人には読んでほしくない.そして,どんな話でも,心を開いて聞く心構えのある人には是非読んでほしい,そういう感じを持ちました.

2010年1月9日土曜日

林望「節約の王道」,日経プレミアシリーズ

昔から林望氏のファンで,ほとんどこの人の本は読んできました.次第に人生の本質に迫る記述が増えてきたように思います.

自分が死ぬ時を想って,そこからどう生きるべきかを考える.そして死がいつ訪れても後悔しないように,日頃から一生懸命に努力する.
無駄にしてはいけないのは,お金だけではありません.人が生きる上でいちばん無駄にしていけないのは,やはり人生の時間だと思うのです.
だからこそ,そのような後悔のない生き方をするということこそが,人生を無駄にしないという意味で,究極の節約なのかもしれません.

言ってくれますね.私もそう思ってはいるのです.ですが,行動が伴わない.そこがまだ悟りの境地に至らない者の哀れさです.

宇都宮浄人「路面電車ルネッサンス」,新潮新書

ヨーロッパでよく見かける路面電車.実は路面電車は世界的には「復活」中であるらしい.
決して広いとはいえないヨーロッパの道で,路面電車がこんなに走っているのはなぜかと思っていたが,それには採算を度外視した政策的な面もあるようだ.何もかもお金の価値でものをはかる現在の日本はおかしいのではないか?この本を読んで,ますますそう思うようになった.
また,この本の中で,「信用乗車」という言葉で説明されている乗車方法,ヨーロッパで路面電車に乗った人は知っているはずだが,検札は全く確率的に行い,通常は検札がないという乗車方法.多数の広い扉が使えるため,乗降がスムーズにいくので,路面電車には不可欠な方法である.
SUICA, ICOCAなどのカードが普及した今,信用乗車は無理に必要ないかもしれない.日本でも,路面電車の高速化は是非とも図るべきだろう.

2010年1月7日木曜日

藤原正彦「天才の栄光と挫折」文春文庫

ソーニャ・コワレフスカヤ.すばらしい美人で才女だったらしい.知らなかった.
こういう人に遭遇してみたい.相手にしてくれるかどうかは別として.

曾野綾子「日本人の知らない世界の歩き方」PHP新書

外国に行ったときの緊張感が,思い出される.そうだ,こういう感覚なんだよね.外国は.
とってもいいと思う,外国旅行の感覚.しかし,ずっと住みたいとは思わない.なんでなんだろう?
自分の感覚をよみがえらせてくれる本.

2010年1月3日日曜日

藤原正彦「日本人の矜持」新潮文庫

私に言わせれば,朝起きてから眠るまで,1ページも本を読まないという人は,もう人間ではない.ケダモノである.人間とケダモノの違いは,本を読むか読まないかなんです(p.75).

いいこと言ってくれるね.本を読まないと知的な能力が退化するのではないかと思う. 


インターネットの2ちゃんねるという掲示板もひどいらしいですね.悪口の言い放題で,しかもすごく下品な言葉らしくて.そもそも人間の持っている醜い部分というのは,本来隠すべきでしょう.今はそれをどんどんはき出してよい世の中になってしまった.(p.224)

この部分,全く同感. 

はじめに

本はたくさん買っていますが,多くは積ん読になっており,あるいは,せっかく読んでも忘れてしまいます.
備忘録の意味で,ここにメモを残していきたいと思います.